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知っているようで知らない「質屋」の話 vol.37
2024年10月08日
実は読めない人が多い!
「質屋(しちや)」
福島県郡山市で質屋を営むブレラ質アキヤマです。今さらではございますが、「質屋」を「しちや」とすんなり読めますか?実は、「質屋」を「しつや......ですか?」とおっしゃる方が意外と多いんです。若い世代だけでなく、40代くらいの方も「しつや」と読んでしまうことがあるようです。さらにいえば、テレビ番組でアメリカの質屋が紹介されているのを見たときのこと。質屋のテロップに「しつや」とふりがなが添えられていました。翻訳時かテロップ作成時の誤りか真相は不明ですが、ちょっとびっくりしてしまいました。
質屋を「しちや」と読めない人が多いのは、なぜなのでしょうか。あくまで私の考察ですが、理由は主に2つあると思います。1つめに、「質」という漢字は「しつ」と読むケースが圧倒的に多いこと。例えば「品質」「糖質制限」「質が良い」などすべて「しつ」と読み、日常会話で頻繁に使われます。対して、「質」を「しち」と読むのは、せいぜい「人質(ひとじち)」「質流れ(しちながれ)」くらいで、使う機会も多いとはいえません。質流れに至っては質屋用語のひとつであり、質屋に行ったことがない人、質屋がどういう商売をしているか知らない人は読めないのもうなずけます。ちなみに、文部科学省が発行する「別表 学年別漢字配当表」を見ると、「質」は小学校5年生、「屋」は小学校3年生で習う漢字です。
質屋を「しちや」と読めない人が多い2つめの理由として、子どものお店屋さんごっこも背景にあるような気がします。世の中にはさまざまなお店があります。どなたも幼少時に一度はお店屋さんごっこをした経験があると思います。「パン屋」「八百屋」などが定番でですね。いずれも店員役とお客さん役に分かれ、コミュニケーションや経済活動を身につけられる楽しい遊びです。しかし、お店屋さんごっこで「質屋」をやった方はほぼいないのではないでしょうか。私自身、両親は先生と主婦という一般家庭に育ったので、質屋さんごっこをした経験はもちろんありません。
ぜひご活用ください
便利な質屋
ここでふと、「質屋」以上に読むのが難しいお店の存在に気づきます。それは「八百屋」です。漢字だけ見ると質屋よりよっぽど特殊ですが、店はとても身近です。子どもだっておつかいで八百屋に行くこともあるでしょう。もしかしたら親や先生に読み方を教わる前に、遊びや暮らしを通していつのまにか「やおや」と覚えてしまうのではないかと思います。
そもそも、質屋は子どものお店屋さんごっこには向いていません。質屋では質預かりと売買があり、メインは質預かりです。子どもがごっこ遊びするにはちょっと難しいですよね。法的なことをいえば、質屋を利用できるのは18歳以上(条例によっては20歳以上)と定められています。
裏を返せば、質屋は大人のお客様に多くのメリットがあります。「質預かり」は、大切なお品物を手放すことなく融資を受けられるのが最大の魅力です。いわゆる「ブランドショップ」「買い取り専門店」にはない、質屋ならではの活用法です。また、消費者金融で借りたお金については「督促」がありますが、質屋は督促しません。「質流れ」としてお客様のお品物の所有権が質屋に移るからです。ほかにも、価格の動きが気になる金についてもぜひ質屋をご利用ください。ブレラ質アキヤマは金の市場を常にウォッチし、お客様に有益な情報をご提供しております。
一人でも多くのお客様に質屋の良さを知っていただき、「質屋」の読み方も世に浸透するとうれしいです。
知っているようで知らない「質屋」の話 vol.36
2024年07月06日
令和6年春、金の茶碗盗難事件が発生!
注目を集める金価格
福島県も梅雨に入りました。しばらくは雨に悩まされる日が続きそうですね。ところで不安定なのは天候だけではありません。長引く円安・ドル高の影響、不穏なウクライナ情勢など、国内外とも不安定な状態が続いています。こんなご時世だからこそ、質屋としてお客様に少しでも喜んでいただけるサービスをご提供したいと考えています。ブレラ質アキヤマは、どなた様も気軽にお立ち寄りいただける質屋です。明るく居心地のよい空間に、華やかなブランド品、きらめくジュエリーが並んでいます。もしかしたら、限定品やレアなアイテムに出会えるかもしれません。ウインドウショッピング気分で遊びに来ていただけたらと思います。
さて、最近のホットな話題といえばやはり「金」ですね。昨年夏に「1グラム1万円の時代到来!?金相場の上昇、継続中」という見出しでコラムをお届けしました。その後、実際に金価格は1グラム1万円をゆうに超えて現在に至ります。また、今年の4月、東京の百貨店で純金製の茶碗が盗まれる事件がありました。1千万円のお椀が盗難後に180万円で売られ、さらに480万円で転売されたニュースをご覧になった方も多いと思います。ちょうどその時、私は別の百貨店で開催されていた質屋の催事のために東京に滞在していました。来店されたお客様にも「ここに並んでいる金の茶碗はだいじょうぶ?」などと冗談を言われてしまいました(笑)。
この事件をきっかけに、「金の価格」が改めて注目を集めるようになったと感じています。
金は「どこに売るか」が大切!
では、金の買取価格とは、どのように決められているのでしょうか。答えは「店によって違う」です。
近年の金価格高騰を受け、質屋以外にも町のブランドショップや買い取り専門店など、さまざまな店が積極的に金を買っています。金をお持ちのお客様は「どこに売ろうか」と迷われることでしょう。そんなときに、ちょうどチラシを目にすることもあると思います。「全国に○○店舗!高価買取します」「タレント△△が出演するCMでおなじみ!」といった売り文句に惹かれても不自然ではありません。大手であればなんとなく安心感がありますし、「確かに10年前、20年前に比べてずいぶん高く買ってくれるようだ」と気持ちが動くことも考えられます。しかし、その後「しまった!もっと高く売れる店があった」と分かり、後悔してしまうケースもあるようです。
金を売ろうと考えている方は、ぜひブレラ質アキヤマのホームページをご覧ください。当日の買取金額を明示していますので、比較検討されてからでも遅すぎることはないと思います。買取時は最新のX線分析器を使った鑑定を行うので正確な査定が可能です。また、ここまで打ち明ける必要があるかどうかわかりませんが、質預かりによる収益がございますので、金の買取で利益をあげる必要はないとさえ考えています。ブレラ質アキヤマの金の買取価格は他店に負けないものと自負しています。
金を「いつ、売るか」はもちろん大切です。でも、それと同じくらい「どこに売るか」が大切です。皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしています。
知っているようで知らない「質屋」の話 vol.35
2023年12月19日
日本酒はお好きですか?
ブレラ質アキヤマは、金、ブランド時計、貴金属以外にもさまざまなお品物を取り扱う質屋です。例えばお酒も未開封であれば、ワイン、ウイスキー、ブランデー、そして日本酒等のお買い取りをさせていただいております。ときには世界的なコンテストで入賞を果たしているレアな国産ウイスキーが入荷することもあります。国産ウイスキーは国内外の評価が高く、ネットオークションでもたびたび価格高騰しては、ニュースや経済記事を賑わせています。
さて、今回のコラムのテーマは「日本酒」です。実は、日本酒も一部の人気銘柄の価格が非常に上がっています。中でも注目したい酒蔵と銘柄をいくつかご紹介します。まずは山形県村山市にある「高木酒造」。看板の「十四代(じゅうよんだい)」はあまりに有名です。高木酒造の創業は江戸時代の元和元年、西暦でいうと1615年という老舗です。徳川幕府の2代目将軍、秀忠の時代からお酒をつくり続けています。そして、山口県岩国市にある「旭酒造」。こちらは言わずと知れた「獺祭(だっさい)」の蔵元で多くのファンに支持されています。秋田県の「新政酒造」は1852(嘉永5)年の創業で、近年は「No.6」という斬新な銘柄が話題になりました。福島県の「廣木酒造本店」は「飛露喜(ひろき)」をはじめとする銘酒を世に送り出しています。
かつて「日本酒」は、若い方には敬遠される傾向がありました。しかし、蔵元の努力や創意工夫により、味わいそのものやネーミング、瓶のデザイン、飲み方の提案など、日々進化を続けています。現在では老若男女を問わず、さらには外国人にまで好まれるお酒となりました。日本酒を瓶で購入して自宅で飲むも良し、飲食店でおすすめの銘柄を教えてもらい、おちょこに一杯だけ試してみるのも良し、自分に合う日本酒を探してみるのも楽しいと思います。
日本酒が国産ウイスキーのごとく価格高騰しているのはなぜでしょうか。「十四代」をピックアップしてお話ししたいと思います。
価格高騰の「十四代 龍泉」
その理由とは
毎年11月~12月は「十四代」の特別な銘柄が出るシーズンです。十四代には「龍月(りゅうげつ)」「双虹(そうこう)」「白雲去来(はくうんきょらい)」といった人気銘柄があり、中でも「龍泉(りゅうせん)」は別格です。定価1万5千円くらいのお酒ですが、当店は昨年、32万円でお買い取りしました。定価の21倍以上です。もともと量産できるお酒ではないのですが、このお酒に中国の方々が誰より熱い視線を送っているのが価格高騰の一因といわれています。中国人にとって「龍」と「泉」の字は縁起がよく、毎年1月~2月にあたる春節(中国の旧正月)に備えて買い注文が殺到するようです。中国の国内ではさらに価格が上がり、日本円にして50~60万円で流通していると聞きます。
私は商売柄、「龍泉」の知識だけは持っていたものの、「さぞかしおいしいのだろう」と瓶を眺めるだけの日々でした。ところが、ついに初めて龍泉をいただくチャンスが巡ってきました。知り合いの焼肉屋さんから「1本だけ入荷しましたよ」と連絡をもらったのです。720mlの龍泉がたったの1本、先着4グループのみ、1合1万円で提供してくださると聞き、私は「これは見逃せない」とばかりに家族を連れて伺いました。
「龍泉」は、酒米の山田錦を磨き上げ、低温発酵と氷温貯蔵による熟成を経て作られる純米大吟醸酒です。さらっとした甘さでありながら重厚感もあり、鼻を抜ける香りは爽快。目の前で開封していただいたので、わずかなシュワシュワ感も味わうことができました。龍泉のおいしさと香りを私は忘れることはないでしょう。
後日、当店女性スタッフも十四代をいただく機会があったそうです。外食した店で「龍月」と「双虹」が置いてあったのです。「明日も仕事だから」とウーロン茶にしようと思ったものの「お店で扱うお酒の味を知っておくのは勉強になる」と考え直したとか。感想を聞くと、「こんなにおいしいお酒は初めて」とのことでした。
日本酒も銘柄によっては、ジャパニーズ・ウイスキーのようにプレミアがつきます。折しも、お歳暮シーズンです。贈答用のお酒がご自宅で眠っている方、ぜひ酒類販売免許を持つブレラ質アキヤマにご相談ください。
知っているようで知らない「質屋」の話 vol.34
2023年08月05日
1グラム1万円の時代到来!?
金相場の上昇、継続中
前回のロレックスに続き、今回は金相場についてのコラムをお届けします。
金は、ロレックスほど派手な動きではありませんが、やはり目が離せない商品です。金相場が注目される理由は、非常に長期にわたって上昇が続いていること。そして、ロレックスといったブランド時計は一部の人が保有するのに対し、金はインゴット、ジュエリー、記念硬貨、仏具など幅広く、どなたにも身近な商品であることです。
2023年に入ってからも金相場は上がり続けており、6月には9,800円/gという過去最高値を更新。メディアではついに「1グラム1万円」の時代到来か、と騒がれています。
ここで、改めて金相場の推移を振り返ってみたいと思います。今から20年前にあたる2003年、金1グラム当たりの平均買取価格は1,400円前後でした。10年後の2013年は4,400円前後と大きく上昇。2020年になると6,000円台に突入し、2022年は7,000円台後半で取引されました。なお、買取価格は業者による価格差があり、相場とも少し異なりますが参考にしていただければと思います。
6月の金相場9,800円/gの後は、ウクライナ情勢の膠着等が影響して多少下がりはしたものの、依然として9,600円~9,700円/gで取引されています。
あわてないで!
金を売るタイミング
金相場は、世界経済と政治の情勢、為替、投資家の行動が大きく影響します。金はドル建てが基本ですから、日本では欧米に比較して相場の動きの幅は小さくなるものの、日銀の介入といった特殊な要因が働き、複雑な動きを見せます。質屋として一般的かつ長い視点で見たとき、金相場は波がありつつも長期にわたって高騰が続いている商品といえるでしょう。
こうした状況ですから、金相場のニュースや「高値で買います!」と書かれたチラシが目に入り、「今日売ろうか、明日売ろうか」と気が気でない方もいらっしゃると思います。しかしながら、あわてて売ることだけはおすすめできません。確かに10年前、20年前に比べればかなり高額で買い取ってくれる業者がほとんどだと思いますが、念のためご相談くださるのも無駄にはならないと思います。といいますのは、金の買取価格の設定はお店によってさまざまであり、安い店ですと当社の半値ほどになることもあるからです。ブレラ質アキヤマが日本一高いという訳ではありませんが、東北の中でもかなり高額なレベルでお客様にお伝えしております。お客様にきっとメリットを感じていただけるお手伝いができると考えています。
ロレックスも金も、相場の動きが非常に複雑で見通しも難しいことは事実です。しかし、相場を把握するために、世界と日本の政治経済の情報にアンテナを張るのも良いのではないでしょうか。相場の知識が深まり、売りどき・買いどきを見極める喜びを得られるからです。金についてのご相談、情報交換は大歓迎です。お気軽にご来店ください。
知っているようで知らない「質屋」の話 vol.33
2023年07月11日
目が離せない
動き続けるロレックスの相場
「あこがれのブランド時計は?」と聞かれたときに、「ロレックス」と答える人は多いと思います。ロレックスは時計であると同時にファッションであり、ステイタスであり、人によっては成功の象徴でもあります。まさに、世界の人を虜にするブランド時計の代表格のひとつといえるでしょう。
時計が好きな方なら、長年にわたってロレックスの相場が上昇を続けており、「投資」の対象になっていることもご存知だと思います。当店でもロレックスをよく扱っておりますが、実際、定価300万円のロレックスが 500万円になり、600万円になり、ついには900万円という信じがたい価格をつけたこともありました。
ここで、2022年から現在にかけてのロレックスの相場の動きについて時系列で考察してみたいと思います。
◆2022年前半(1月~夏) ――相場高騰と下落――
2022年1月~2月頃にロレックスの中古相場は過去最高額へと上りつめ、3月頃より下落に転じ、8月頃にいったん底を打つ。
<考察>
要因のひとつとして考えられるのが「投資家の動き」です。2022年はロシアによるウクライナ侵攻が始まった年です。世界の経済と政治の情勢を見た投資家が、ロレックスに代わる新たな投資先を見つけたことも相場下落の一因になったといわれています。他ブランドのオーデマ ピゲ、パテックフィリップでも同様の動きが見られました。大げさに言えば、平成の不動産バブル崩壊の状況に似た現象といえるでしょう。
◆2022年秋以降 ――相場の持ち直しと再下落――
相場は2022年9月~10月頃から再び上昇に転じ、2022年12月頃から再び下落。
<考察>
2022年10月20日、米ドル/円レート150.15円が記録されました。150円を超えたのは実に1990年以来、32年ぶりです。円安の影響を受け、舶来品であるロレックスの相場は持ち直したのですが、日本銀行の黒田総裁(当時)が急速な円安に歯止めをかける対策を講じる発言をしました。そのため、為替が再び円高に転じたのに比例し、ロレックスの相場も下落に転じたと考えられます。
2023年6月現在
ロレックスの相場はゆるやかに回復中
◆2023年1月~現在 ――ゆるやかな回復――
2023年に入ってから現在まで、ロレックスの相場はゆるやかな回復傾向に。
<考察>
"ゆるやかな回復"という判断は、次のような経済状況によるものです。
1)円安の継続(ウクライナ侵攻の長期化、膠着状態も背景にあると考えられます)
2)株価の上昇:2023年5月17日、日経平均株価は3万0093円59銭で終えました。終値で3万円を回復したのは、2021年9月28日以来、1年8カ月ぶりのことです。円安・ドル高の進行で輸出株の追い風になり、ハイテク関連株が買われたことも相場全体を押し上げたとみられます。株価はその後も3万円台をキープしています。
3)ロレックスの新作発表:2023年4月頃に新作が発表されたのを受け、ロレックスのディーラーが「認定中古品」を発表。旧型モデルの一部において「価格が上がる」という見方も出ました。ただ、ロレックスの相場の動きは業者によって見解が分かれるところで、5月頃から価格は戻りつつあります。私個人としては、しばらくは微妙な動きになると感じています。上記から総合的に判断し、ロレックスの相場はしばらくの間、ゆるやかな回復を続けると思われます。ただ、相場は生き物です。今後もさまざまな要因がロレックスの相場に影響することでしょう。ちなみに、ロレックス等のブランド時計以外では、金相場にも似た動きがありました。金については次回のコラムでお話ししたいと思います。
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