がんばれ!東北!地域情報「2014年4月」記事一覧
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「桃源郷」は本当でした! 福島市の花見山公園。
2014年04月22日
4月17日に「福島の桃源郷」といわれる全国でも有名な花の名所、福島市の花見山公園を訪れました。花見山公園は、花木生産農家の方が自らの農地を長い年月をかけて開墾し、昭和34年から一般に開放している公園です。色とりどりの花々で覆い尽くされる風景は、毎年多くのテレビや雑誌で紹介されています。
訪れた日は、ボケ、レンギョウ、ユキヤナギ、チューリップ、ソメイヨシノなど多くの花が満開で、まさに花見山のベストシーズン。あぶくま親水公園に車を停めて、シャトルバスで向かいました。シャトルバスを降りた大型駐車場からすぐに、花畑が広がります。隣の山の桜、菜の花、ボケ、歩みを進めるほどに次々と異なる花が現れて、様々な風景を見ることができます。一面の黄色い菜の花の向こうにある桜色の山、レンギョウと梅と桜のコントラスト、ユキヤナギの小路、そして花々の芳しい香り...。美しい花々と甘い香りに包まれて、夢うつつの心地です。桜の名所は日本に数多くありますが、桜の花のみが咲き誇るので、桜独特の迫力を感じます。けれども、花見山では桜の他に多種の花が咲くので、ほんわかと優しく心和む風景に感じられました。
この日も大型バスが数多く訪れ、頻繁に行き来するシャトルバスは満員で賑わっていましたが、他の観光地と異なり、散策をしていても人ごみが気になりません。花の美しさと甘い香りゆえでしょうか、大声で騒いだりはしゃいだりする人もおらず、敷地が広いので花見山の散策路を歩いていても多く人を見かけないのです。静かに、心ゆくまで桃源郷での時間を過ごすことができました。
「みんなにきれいな花を見てもらい、心が安らげば」「花は自然災害にあっても春には美しい花を咲かせて私たちを癒してくれまる。花に負けないで、東日本大震災も乗り越え立ちあがってほしい」そんな思いで、花見山の所有者は花を育てていらしたと聞きます。花見山に佇んでいると、その想いが伝わってくるような気がしました。
4月29日までは福島駅から臨時バスが出ており、臨時駐車場とシャトルバスも設けられています(周辺地区は交通規制もあります)。花郡山市や仙台市から車でわずか1時間、シャトルバスの待ち時間も僅かで便利です。花見山を訪れるなら、満開の「今でしょ!」です。
(写真:川島啓司/記事:島崎聖子)
風情ある駅で足湯を堪能!会津鉄道の湯野上温泉駅。
2014年04月19日
3月に福島県南会津郡下郷町で仕事があり、会津鉄道の湯野上温泉駅に立ち寄りました。車で出かけたのですが、なぜ駅へ向かったかというと...足湯に浸かるためです。平成24年10月に湯野上温泉駅に足湯ができました。せっかく下郷町に来たというのに、湯の神が住むといわれる湯野上温泉に宿泊することも叶わず、「それでは足湯だけでも」ということになったのでした。
湯野上温泉駅は、大内宿になぞらえた茅葺屋根の駅舎でも有名で、平成14年に東北の駅百選にも選定されました。いつ見ても風情ある駅舎ですが、雪の中に建つつららが伸びた様子は、より一層の趣と厳かな雰囲気を感じます。駅舎の姿を写真に収めて、さっそく足湯に向かいました。暦の上では春とはいえ、湯野上温泉にはまだ雪がたくさん残っています。私は分厚いコートを着込んでいましたが足先は冷たく冷え切っていました。屋外でじっと座っているのは寒いかとも思いましたが、足を入れてみると温かくて、なんと気持ちの良いこと!冷たい足先にじーんと温もりが染みて、次第に全身がポカポカと温まってきました。清潔で広々としているのも快適で、ついのんびりと時間を過ごしてしまいました。辺りは静かで、湯気の向こうの風情ある駅舎と雪景色を眺めていると、仕事の忙しさも生活の煩わしさも遠のいてゆきます。足湯だけでも十分温泉を楽しんだ気分になり、満足して帰途に就きました。
会津鉄道は、西若松から会津高原尾瀬口まで57.4kmを運行しています。芦ノ牧温泉駅の名誉駅長であるネコ「ばす」やお座敷トロッコ列車も人気があります。私も時折、会津鉄道を利用しますが、駅に停車する度に各駅の駅員さんが手を振って見送ってくれたり、昔ながらの改札口があったり、南会津ならではのお弁当があったりして、旅情溢れる列車の旅を楽しめます。これからの季節、会津鉄道を利用して、国の天然記念物に指定されている「塔のへつり」や国選定重要伝統的建造物群保存地区の「大内宿」へ足を伸ばしてはいかがでしょうか。南会津地方も福島第一原子力発電所の事故の風評被害で観光客が激減しています。豊かな自然、歴史ある町並み、良質な温泉、人の心の温かさがいっぱいの南会津を訪ねる人が少なくなるのは、本当に残念です。新宿や浅草からも、鬼怒川温泉を経由して会津鉄道を利用することができます。東北からだけでなく、首都圏からも多くの人に来ていただきたい切に思います。そして旅の途中には、湯野上温泉駅の足湯もぜひ利用してみてください。
(写真/記事:島崎聖子)
「鳴子のお米と野菜のおいしさを知ってほしい」 田園の中に建つ、古民家風農家レストラン。
2014年04月14日
4月のある日、宮城県大崎市にある農家レストラン「土風里」に伺いました。鳴子温泉郷の一つである川渡温泉にほど近く、美しい田園風景の中に建つ古民家です。「土風里」と書いて「どっぷり」と読むこの名前は、「土(地元住民)と風(旅人)が一緒に楽しめる空間で、故郷のようにゆったりと過ごしてほしい」との想いからつけたのだそうです。自分が育てたお米と野菜のおいしさを味わってほしいと始めたので、とれたての野菜を使ってその日の分だけ料理を用意します。また、異なる人が味付けをするとコース料理全体の味のバランスが崩れてしまうので、おかみさん一人で全ての料理の味付けをしています。だから、完全予約制。昼食のみの営業です。確実に食べに来てくれる人のために一食一食丁寧に作った料理を提供する、隠れ家的なお店です。しかも、看板を掲げておらずお店の場所も分かりづらい。「何度も看板を作るんだけど、風に飛ばされちゃうのよ」とおかみさんは笑います。そういえば道端に壊れた看板が転がっていたような...。
この日いただいたのは、ふきのとう味噌の田楽、菜の花の和え物、トマト入り玉子焼き、焼きキノコの和え物、干しヤーコンの酢漬け、など9種の野菜料理とお漬物、たっぷりの煮干しでだしをとった具だくさんのお味噌汁とご飯です。たっぷり野菜がいただけて、野菜それ自体のおいしさを味わえました。美味しい野菜を使っているのはもちろんですが、野菜嫌いの子供も平らげるというほど誰にも食べやすく工夫されており、味のバリエーションが豊富です。どれもおかみさんのアイディアと長年磨いてきた料理の腕を感じる料理で、食べるとホッとして、しみじみと体に染み入るおいしさでした。
古民家を改装した落ち着いた雰囲気の店内、鳴子のこけし職人に特別につくってもらったこけしの雛飾り、窓の外に広がる田園風景もこの店の自慢です。訪れた時には、店に向かう坂の斜面に可憐なフクジュソウの花がたくさん咲いていました。田植えが終わった頃には、青い空を映す水田と緑の稲がどこまでも広がる美しい景色を見ることができるのでしょう。
2008年の岩手・宮城内陸地震に続いて東日本大震災が起こり、宮城県北部地域は復興への長い道のりを歩んできました。「鳴子の食のおいしさを伝えることで地域の活性化に繋がれば」との思いで続けている「土風里」のお料理をぜひ食べに行ってみてください。大崎市の鳴子温泉郷一帯は、これからの新緑の時期こそおすすめです。新緑の鳴子峡の散策も爽快ですし、鳴子温泉郷にある5つの温泉地の湯めぐりも良いでしょう。オニコウベスキ場で、パターゴルフや釣りなどグリーンシーズンのレジャーを楽しんでも。そういえば、ゴールデンウィークには鳴子ダムにこいのぼりが掲げられるそうです。鳴子温泉は福島県郡山市からは車で約2時間半、宮城県仙台市からは車で約1時間半ほどの距離です。ゴールデンウィークのドライブにも丁度良い距離ではないでしょうか。
(写真:宮城県観光課提供/記事:島崎聖子)
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