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知っているようで知らない「質屋」の話 vol.20
2020年11月12日
何と読むかわかりますか?
"出質ラッシュ"
秋が深まってまいりました。食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋。皆さんはどんな秋を楽しんでいらっしゃるでしょうか。
さて、前回のコラムでは、コロナ禍が一因と見られる金と株の相場の不思議な動きについてお伝えしました。今回も、新型コロナが発端と思われる現象のひとつ、「出質ラッシュ」についてお話ししたいと思います。出質は「でしち」、あるいは「でびち」と読みます。融資のためにお預かりしていた品物が、お客様の返済によって質屋から出ていくことを表しています。出質ラッシュ、つまり出質が立て続けに起こったことをご説明する前に、まずはブレラ質アキヤマ自慢の金庫と質預かりについてご紹介させてください。
「質預かり」(お客様にとっては"質入れ")とは、質屋がお客様にご融資する代わりに時計や貴金属などのお品物をお預かりするシステムです。お品物は担保となるものですから、金庫(蔵)に入れて大切に保管するのが私たち質屋の義務です。当店は、行政が定める耐火性能・防盗性能基準を上回る堅牢な金庫を備えています。革製のブランドバッグなどのデリケートなアイテムにも対応するために、金庫の中にエアコンと除湿器を設置し、温度と湿度を適度に保つことで防湿・防カビ対策に万全を期しています。
金庫を開けると、質預かりをしたお客様のお品物がずらりと並び、まるで持ち主様のお迎えを待っているようです。お客様が返済にご来店されると、金庫からお品物を取り出してお返しします。お品物が金庫を出たり入ったり。これが質屋の日常風景でした。
ブレラ質アキヤマの
金庫(蔵)にこんな動きが!
今年の春から夏にかけて、当店の金庫にはかつてない動きが見られました。「出質ラッシュ」です。いつもは、お客様のお品物が出たり入ったりしている金庫ですが、入るお品物より金庫から出ていくお品物が圧倒的に多かったのです。当店に限らず、全国の質屋で同じ現象が見られたようです。
原因はいくつか考えられます。まず、外出自粛の要請や緊急事態宣言を機に、StayHomeが浸透しました。そのため、質預かりはもちろん、売買などに来店されるお客様の数そのものが減りました。当然、金庫に入るお品物の数も増えませんでした。
次に、国が国民に対し給付金を支給したことです。現金が入ったのを機に、返済に来店されるお客様が増えたのです。中には、数年もの長きにわたって質入れを続けていたお品物を手元に戻された方もいらっしゃいました(質預かりの期限は基本3か月ですが、延長も可能です)。そういうわけで、当店の金庫は空っぽまでとはいわないまでも、かなりガラガラの状態になりました。新型コロナがやや落ち着いてからは再び質預かりのお取引が増え、金庫の中も少しずつにぎわいを取り戻しています。
それにしても、未だに終息が見えず「withコロナ」へとシフトしつつある今日この頃、質屋の商売も、日々の暮らしも、柔軟に対応することで乗り切り、未来を少しでも明るいものにしたいと感じています。皆さん、これからも一緒に頑張りましょう!例えば、長らくご使用になっていない貴金属やジュエリー、未開封のウイスキーやワインなどはありませんか?ブレラ質アキヤマがお役に立てることがあると思います。お気軽にご相談ください。
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