Brera質アキヤマ 知るほど・なるほど 「2016年6月」記事一覧
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質屋の社長 秋山実です Vol.11
2016年06月11日
充実した修業時代
ところで皆さんは、質屋という商売がいつごろからあるかご存知でしょうか?
質屋が生まれたのは、はるか昔の鎌倉時代といわれています。それだけ長い歴史をもつ業界ですから、老舗も多いんですね。でも、私と妻は、完全な新規参入組です。先代から受け継ぐ商品などの資産も資金もない、ゼロからのスタートです。だからこそ、自分たちの思い描く「新しいタイプの質屋」をつくる夢を膨らませながら、せっせと修行に励んでいました。
質屋の知識ゼロの私と妻が、千葉で修業をしていた約1年間。鑑定や査定の知識や技術を早く身につけたいとあせる私を、厳しくも優しく指導してくれた修行先のM社長のおかげで、接客や商品知識を少しずつ蓄えていきました。修行では商品の仕入れについても学びました。仕入れの方法のひとつが市場(いちば)での競りです。市場での、忘れられない体験談をお話ししたいと思います。
資金は200万円!私の仕入れ体験談
質屋の店頭には、時計や宝石、ブランド品のバッグなどがずらりと並んでいます。お客様がお売りくださった商品もありますが、多くは市場(いちば)で仕入れたものです。市場には、「平場(ひらば)」と、「大会」があります。毎月定期的に行われる平場に対し、大会は開催回数が少なめですが、商品数が豊富で、高額商品がよく取り引きされます。大会は2日~1週間にわたることが多く、下見期間中にあらかじめ商品をチェックした後、競り当日を迎えます。競りではお目当ての商品が入っている箱に付いた番号を競り落とすのです。私も修業中はM社長に同行し、平場や大会で行われる仕入れの様子を何度か見学させてもらいました。
修業期間が終わりに近づいたある日のこと。M社長と山口県下関市で行われる市場に行った私は、200万円の現金をポンと渡されました。いつものように、M社長が仕入れる様子を見学するのかなと思っていたので、びっくり! そんな私に、M社長が続けます。「そのお金で、何か仕入れて」。(続く)
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